やじま歯科医院

患者さんへ伝えたいこと

多くの歯科医院がある中から、私たちの歯科医院を選んでいただきありがとうございます。

私自身、幼少期から治療した歯が短期間で悪くなったり、矯正治療がうまく行かなかったり等、歯の事で大変悩みました。歯科大学在学中にきちんとした治療をしてもらいたかったのですが、治してもらいたいと思う歯科医師に出会えることがありませんでした。

大学を卒業した後、運よく米国の大学を卒業した歯科医師に出会い歯科治療をしてもらいました。その歯科医師に、「自分の口の中を管理できない人間は、患者を治療してはならない。虫歯や歯周病になっている歯並びの悪い歯科医師を誰が信用するのだ?」と言われたことは、今でも忘れられません。このような経験から、自分が受けたい治療、家族にする治療を患者に行うように心がけています。

では、患者さんは、一般的に歯科医院をどのような基準で選ぶのでしょうか?

駐車場に車が多く停まっているのが良い歯科医院でしょうか?

患者さんが待合室にたくさんいるのが良い歯科医院でしょうか?

私は開業当初から一日に数多くの患者さんを診療していません。

その理由は主に二つあります。

まず一つ目の理由として、患者さんと話をして、診査、診断を行い、治療方針をお互いに理解して、納得するまで話し合うためには、ある一定の時間がかかります。

現在の病気の状態、なぜこのような状態になったのか、それを放置すればどうなるのか?どのように治療するのか?など説明する必要があります。

治療に関しては、再発のリスク、耐久性、身体への影響、美しさなどを説明しなければなりません。

歯科医師が十分な説明義務を果たさないから「歯を抜かれた」「歯を削られた」「高いお金を取られた」という不満の言葉が患者さんから出てくるのだと思います。

私たちは、その歯、歯肉が病気だから必要な治療として、歯を抜いたり、削ったり、歯肉の治療をしたりするのです、何の問題もない歯を抜いたり削ることはしません。お金も取ってはいません(お金を取る事は犯罪行為です)

このようなお互いのすれ違いが起きてしまうことは、患者さんと歯科医師(歯科医院)にとって、お互いに大変な不幸なことです。

このようなことを起こさないためにも、私たち歯科医院側には十分な説明義務がありますし、患者さんも、治療内容を理解し、きちんと自分のお口の中をきれいに管理する責任があると私は考えています。

そして、一日に多くの患者さんを診察しない二つ目の理由は、数多くの患者さんの診療をすることは、歯科治療の質が悪くなるからです。

歯科治療は、レベルの高い精度が要求されます。

このようにレベルの高い精度が要求される歯科治療を行うとしたら、一日何十人も治療できるでしょうか?

医療制度の違いもありますが、米国の歯科医師は、日本の歯科医師のような薄利多売の治療はしません。レベルの高い精度を求められる治療を行うには、ある一定の時間が必ずかかります。一日に数多くの患者さんを治療することは、治療の質を落とすことになり、結果として、患者さんの歯の寿命を短くすることになります。

私の尊敬する歯科医師は、次のように話をしてくれました。

『歯科医療は、一部の予防処置を除いて、外科手術と同様に人間の身体に 侵害を加えることが前提となります。これが「治療行為」として成り立つのは、与える侵害よりも得られる益の方が大きいという了解があるからです。診断や治療方針の正しさを保障するのは、言うまでもなく科学的に証明された文献などによる 情報ですが、医療行為そのものを保障するのは、実は文献やテキストではなく「治療担当者の技術の質」にかかってきます。』

私もこのような志を持った歯科医師になれるよう努力していきたいと考えています。